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By Hiroyuki Toyokawa on 2016.05.17

The motion & The moment. #東京都ガラパゴス二丁目。

 

<東洋のガラパゴス>

 

東京から南に1000km。
コンクリートジャングルの東京とは180°違った、ジャングルの東京がそこにはあった。
東京都小笠原村父島。

便宜的に東京都としてあてがわれたそのジャングルは、一般的な東京都とは一線を画す。
気候も違えば、住んでる生き物も違う。
そして、時間の流れ方が全く違う。

大陸から隔絶されていた為、島の生物は独自の進化を遂げていて「東洋のガラパゴス」とも称される。
そんな背景を持った父島を含む小笠原諸島は、2011年にユネスコの世界自然遺産に登録された。

 

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<片道、1日とちょっと。>

 

空港を持たない父島への交通手段はフェリーのみ。
天気も悪く、海もあいにくの荒れ模様。
断続的に船は揺れていた。
胃の奥深くに吐き気のような違和感を感じながら、本を読み続ける。
そして、やがて襲ってくる睡魔に意識を委ね、しばらく眠りに落ちる。
そんなことを繰り返しながら、客船「おがさわら丸」が目的地の父島に到着したのは、

竹芝桟橋を出発してから25時間半後のことだった。

 

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<戦跡残る世界遺産>

 

父島にはたくさんの戦跡が残る。

太平洋戦争時、硫黄島における激戦の折に、父島も日本軍によって要塞化していった。

その為、島の中には当時の戦跡があちこちに残っている。

その中でも、世界遺産として登録されることは稀であるようで、

いかに島の生態系が貴重なのかが伺い知ることができる。

 

 

 

 

 

 

放置され錆びきった兵器。

 

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朽ちた重機には「ヤンマー」の刻印。

 

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鬱蒼とした茂みの中には、兵舎として使われていた廃墟が残されていた。

戦後数十年。

植物が生い茂り、建物を少しずつ呑み込んでいく。

カンボジア・アンコール遺跡のタプロームのような趣があった。

 

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小高い丘に隠されたサーチライト。

米軍のB29が上空を飛ぶとき、このサーチライトを引きずり出し、機影を追ったそうだ。

捨てられたように留まり、戦争の生々しさを感じた。

 

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戦争当時、父島においては上陸戦はなかったものの、

空襲は頻繁にあったそうで、島のあちこちには防空壕が掘られていた。

日本軍の使用していた建物などはそのまま捨てられ、数十年の間に植物が好きなように侵食していった。

人間が犯した愚行を丸呑みにしてやろうと、少しづつ少しづつ呑み込んでいく。

コンクリートであろうが、金属であろうが。

 

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鬱蒼とした木々の隙間から木洩れ陽が差す。

枯葉で敷き詰められた地面を優しく照らした。

風が吹いた。

葉っぱが擦合う音が辺りに響く。

 

この瞬間にも、取り残された戦跡は、少しづつ呑み込まれていく。

この環境を制するのは、人間の支配ではなく、

自然が放つ静かなるエナジィ。

 

 

続く。

豊川 裕之

東京写真学園卒。 写真を撮りながら7ヶ月で25カ国を周り世界一周。 ふとした瞬間や仕草、バランスなど、自分自身の感覚で切り取れるツールが自分にとっての写真であり、魅力だと感じます。 現在はフリーアシスタント・フリーカメラマンとして活動。

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