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By Naho Inoue on 2016.04.13

うつくしきふつう=ジジの住む歴史街 Dubrovnik, Croatia=

赤いリボンの魔女っ子さん

 

”アドリア海の真珠”というあまりに贅沢な呼ばれ方。響きだけですでにうっとりするその街の名は、ドゥブロヴニク。

その街並みは。どっしりとした城壁に囲まれた旧市街が、深い蒼の穏やかな海に突き出している。しわを刻むように年月をかけて色づいた深いオレンジ色のレンガ屋根と、体力を奪う階段まみれの迷路路地。それをひょいっとマスターしきっているのは黒ネコたち。

わたしの大好きな映画のように、赤いリボンの魔女っ子さんがいまにも現れては飛んでいきそうな場所。

 

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日常と非日常

 

城内をぷらり。冷たく分厚い石壁の中は、とっておきの秘密部屋のよう。日夜絶えず家族連れやカップルに溢れ、レストランを覗けばペアメニューから、という一人旅には完全アウェイな完璧なまでの観光地。たちこめる魚介ベースの香りの中でテイクアウトピザを一枚かじり歩く。

 

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おもしろいのは、そんな中でも一歩その階段路地に入ればそこに住むひとびとを感じるのだ。狭い建物の間を縫うように吊るされた洗濯物をはじめ、非日常な城壁内ホリデイの中にふと現れる真逆の生活感。ついつい探検を続けてしまう。

 

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美しさの背景に

 

このあたりの海底は、歩くと痛い。砂浜でなく、石と石によってできているのだ。そのおかげでびっくりするほどの透明度を誇る。

 

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足つぼマッサージのようなゴロゴロ石を避けるように、プカプカとその透き通る碧に浮いていると、おなじくプカプカ中のひとりの女の子と出会った。

プカプカしながら、彼女はセルビアから来たこと、わたしより少しだけ年下、もうすぐ学校を卒業していつかクロアチアに住みたいということを教えてくれた。そして、陸にあがり、さらに話していく中で、彼女は紛争経験者で、戦争によって脚を切り落とさないといけなくなったというお兄さんをもつ、ということを知る。

 

・・・

 

つらつらと文章を打ち込んでいたが、自分の感情や見解など書いてみたところで、感想文のようなぺらりとしたものになってしまい到底言い表せそうにない。ただ、同世代、ほぼおなじ時系列を生きてきた同性の女の子の言葉はあまりにもインパクトが大きくショックだった。さらにそのかつての戦場その場所で話しているのだ。

 

 

なるほど山へ登ると、その傷痕は生々しく存在している。たった20年前の出来事。楽しい旅の中には、知る歴史、体感する血なまぐさい事実がたくさんある。同時に感じるのは、その地その地のひとびとのエナジィ。

 

まさに彼女も、あんな経験を経ている一方、とても穏やかで希望に満ち溢れ、格好良く美しかった。

 

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Naho Inoue

旅するフォトグラファー。まばたきするように、日常に溢れている多彩な世界の表情を切り取る。自身の18年に渡る音楽経験を活かし、28beautyのうちのひとり、山崎千裕とその音楽を、呼応するように撮る。

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