『雨ふりのワルツ』
窓の外はポツポツと灰色の空間。
今日はでかけるのはやめようかな。
でもイメージを膨らませてみる。
グレーの空に色をのせてみる。
強風だって嵐だってこっちから巻き込んじゃってさ。
なんだか水たまりもスキップしたくなってきた。
ほら見てー!空も晴れてきた!
この曲は雨の日に書いた。
雨の日がちょっと楽しくなるように。
ちょっと憂鬱な気分を雨のせいにした。だから得意のイマジネーションで気分転換を始めた。そんな事がきっかけで生まれたこの曲は完全に私の独り言を綴ったようなものである。
まず、雨の日の気分とは正反対の場所にある三拍子の「ワルツ」という踊りの為の拍子を選択。そしてリズムは跳ねてスィング。そうしたら雨でも踊りたくなるかもしれない。
また、雨は雨でも土砂降りになると逆にテンションが上がる事がよくある。
なので間の部分は土砂降りのシーンを入れよう。(2″33?)
それからやっぱり最後は長調にして雨が上がって晴れ間がさして、よく見たら虹が出ている。(3″30?)
そんなストーリーが良いな。と一気にサラサラと書き上げた私の初期の作品である。
思い返せば子供の頃に生まれて初めて創ったピアノ曲も、自分も妄想ストーリーに合わせて音楽を展開させていくスタイルだった。
今、気がついたのだがその物語の中でも一度、大雨が降って最後は虹が出ている。おまけに3拍子。
自分が6月生まれという事もあり、雨の日は嫌いじゃなかった。自分にとって楽しいシーズンの思い出と雨の降る季節はいつもセットだったからかもしれない。
また、その頃住んでいたマンションでは上の部屋から友達のおばあちゃんが弾く美しいピアノがよく聞こえてきていた。中でもショパンの「雨だれ」はとても素敵で優しく印象に残っている。そして子供ながらもなんてぴったりな呼び名だと思った記憶がある。
私にとって嫌いじゃない雨の日が、いつからみんなと同じように憂鬱に感じるようになったのだろう。もしかしたら私の感覚は人のそれとは違うかもしれないのだが。
そんな雨の日が、少しでもカラフルで前を向ける気持ちになれば良いなと思って書いた曲。
雨ふりに口ずさんで欲しい一曲。
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これまで文章にしている曲が全て録音されたアルバム「GOOD ONE」の
レコーディングメンバーが一同に集まるライブが2016年2月末にあります。
もし良ければ生演奏でお楽しみ頂けたら嬉しいです。
2016/02/28
「山崎千裕GOOD ONEライブ」
会場:川口SHOCK ON ? 048-259-5576
開場:17:30 / 開演 18:30
前売:4000円
出演:山崎千裕(tp) ?河野啓三(key) ?米川英之(Gr) ?TAK斉藤(bs) ?岡野大介(Ds)