うつくしきふつう=Lisboaに恋をする,Portugal=
ArtBy Naho Inoue on
西欧オリエンタルミックス
「どの国がよかった?」という、旅のあとによくある質問のひとつであり、超難題。どこも魅力が違いすぎて選びきれないが、間違いなくたどり着くマイフェイバリットな場所のひとつ、ポルトガル。
太陽のよく似合うスペインからの陽気さと、未知なるアフリカ大陸からのずっしりとした冷たい海に挟まれたその国の空気は、西欧クラッシーにオリエンタルなスパイスがばっちり効いたとても独特で魅力的なものだった。
イエロートラムとパステル壁
坂、坂、そして坂。田舎育ちかつては毎日往復1時間の”チャリ通”(自転車通学)をしていた私は、立ち漕ぎ必須なこの町での自転車はさぞかし大変やろなぁとぼんやり思った。
そんなリスボンでのひとびとの救世主は、トラム。
生活のあしとなるそれは、目の覚めるような明るいイエロー。昔ながらの堂々とした赤茶色の木目が渋い内装。開けっ放しのドアからさらりとホップインアウトを繰り返すひとびと(流れるようにそこに混ざるのは手間取った)、開けっ放しの窓からそよそよと入っては自由に抜ける風。
その姿はあまりにも町と一体化していた。というより、そのイエローこそがリスボンのシンボルでありカルチャーといった様子だ。そして、たっぷりのホワイトを含ませた柔らかいパステル色した、頑張りすぎていない古ぼけた街並みによく映える。たっぷりのひとを詰め込んだそのずっしりボティは、重たそうにガタンゴトンとのんびり坂を上り下りする。
わたしはそんなこの町の色に、なにをするわけでもなくすぐ恋をした。
大航海時代
なんともカッコイイ響き。ユーラシア大陸最西端のその国はかつて海運貿易に栄え、様々なカルチャーを外に出したり吸収していた。
世界的影響を与えた授業で聞いた事のある航海士たちのモニュメントはエナジィに満ち溢れ、偉大も偉大なのであろうが、さらにグッときたのはこの光景。彼らが回った世界地図。
カッコイイ・・・
こちらはパンッパンのバックパックとカメラの旅。シンプルで身軽だが欠かせないのはりんごマークの便利すぎる端末。それを駆使しまくりなんとか歩き回っているヨーロッパ。一方で当時の彼らは自分たち自身で、知識を寄せ集め体当たりして世界を切り開いていった航海。まさに冒険そのものだ。
ドキドキしながら展望台の上から地上に広がるその巨大地図に見入る。
こうしてさらに惚れ込んでいったポルトガル。次の惚れ込みポイントはまた次回。