The motion & The moment. #妙なる奇岩の小宇宙
ArtBy Hiroyuki Toyokawa on
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<未完成の深淵なる芸術作品>
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カッパドキア。
幾多に及ぶ奇岩が群立するトルコ有数の観光地。
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その昔、この一帯の火山活動が著しい頃、
大量の溶岩と火山性降下物がこの地に降り積もった。
様々な鉱物が、柔らかい地層・硬い地層を形成していった。
そして、長い長い時間をかけて、
雨や風がこの地層を現在のような奇岩に削り上げていった。
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地球という匠に宿る静かなるエナジィが、
悠久の時をかけて作り出す芸術作品。
今ある姿は、一つの過程でしかない。
宇宙で繰り広げられる深淵なドラマの一過程でしかないこの瞬間。
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自然遺産にはそういう趣を感じる。
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<奇岩群立密集地帯>
長距離バスに乗って到着した場所は、
観光地としては閑散とした、カッパドキアのバスターミナル。
近くのドミトリーに今夜の寝床を探す。
岩山をくりぬいた中にある、ちょっと湿気ぽい宿だった。
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近くを少し歩いてみると、そこにはいくつもの奇岩が群立していた。
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冬の凜とした空気の中、突き抜ける青の空。
群立する奇岩の数々。
地球以外のどこか違う星に来た様な世界。
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太陽の光を求めて、空へと伸びる植物の様にも見える。
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空から舞い降りる神的な存在を仰ぐ様な、神々しい光景にも見える。
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想像力を膨らますと、何にでも見えて来る不思議な世界。
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<妙なる奇岩の小宇宙>
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カッパドキアの奇岩群は、
世界遺産の中でも希少な、自然遺産と文化遺産の要素を兼ね備えた”複合遺産”として分類されている。
その昔、この奇岩群の中に地下都市を形成して生活する人がいた。
そして、石窟教会なるものも存在した。
異次元に迷い込んだような錯覚に陥るこれらの奇岩建造物は、
「スターウォーズ・ジェダイの復讐」の舞台のモチーフになったと言われている。
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見晴らしの良い高台で、サンセットを迎える。
西日に強く照らされた奇岩群に浮き立つ濃い影により、
奇岩の様相をさらに色濃くした。
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自然遺産を目の前にするときまって、
地球の持つ膨大なエネルギーの大きさに圧倒される。
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ありきたりの言葉だけど、
「人間の小ささ」「自然の偉大さ」
そんな稚拙だけどシンプルな表現が、真っ先に浮かんでしまう。
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妙なる奇岩群の小宇宙では、
長い長い時間をかけて、ゆっくりゆっくりとドラマが綴られていく。
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続く。
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