『ナニスル?』
次は何するー?
どうするー?
BBQするー?
牛追いかけるー?
射的でもするー?
まずビール飲むー?
せっかく君たちが遥々来てくれたんだから
楽しんでもらいたいんだ。
ツアーに出かけるとどこの町でも感じる事だが本当にみんな盛大におもてなししてくれる。
この曲の舞台はオハイオ州コロンバス。非常に熱い若者集団にお世話になった時の話だ。実は私達は同じ年に二回訪れる機会に恵まれた。
日本のアーティストが大好きで毎年自分たちの町でライブを開催している音楽好きの集団だ。ツアーで近くまで来るんだったら迎えに行くよ、とオハイオから迎えに来てくれた場所はシカゴ。移動距離、車で8時間。全く近いとは言えない距離を喜んで来てくれるのだ。なので二回目はトロントまで行くから寄るよと、私達も車で8時間、ナイアガラと国境を越え会いに行った。
宿は彼らの所有する一軒家。そんな訳で、もれなく昼夜問わずパーティー会場となる。
遊び心満載でみんなで楽しく騒ぐのが大好きな種族だ。本当にひっきりなしに何がしたいのかアンケートしてくる。
そして大の大人が20人くらい子供のように戦ったり走り回ったりして遊ぶ。そのうち本物のファイヤーソードやなんかが飛び出してくる。まったく自由だ。そんな事ばっかりして大声で笑いながら走っている集団なんて、はっきり言って危ない。
でも全身で楽しさを共有したい彼らの願いは私達と同じである。勢いをそのままに開催されるライブはまた楽しさが全開である。ヘトヘトになって眠りにつき次の日ちょっと寝坊でもすれば「○時に起きるって言ったじゃん」と普通に怒られる。どうやら一緒に遊びたかったらしい。休日のお父さんの心理はこんな感じだろうか。
にぎやかな毎日を一緒に過ごすと別れが一段と寂しくなる。この曲は旅中に自分のメモ帳に書いた彼らの似顔絵を見ながら音符を綴った。彼らの事を想像するときっと今日もどこかで走り回っているに違いない。
曲を書く段階からOHIOの”H”からとってH-durに決めたのだが、これはトランペット吹きにとって音程の的に当てたりアドリブをとったりするには、ものすごい演奏しにくい調になった。それでも全体として明るい響きがするこの曲はこの調が似合っている。
そして最初に書いたが採用しなかったモチーフは今は前奏や間奏のホーンセクションとして使われている。これはあちこちで聞こえる「今暇?」「これから始めるよ」「この曲は知ってる?」「何それ教えて」など会話をテーマにした。
そんな訳で、どんな時も陽気でウェルカムで楽しい事しか思いつかないハッピーピーポーの曲です。
難しい事から少し離れて、リズムに合わせて自然と身体を揺らしたり手拍子が始まったり、聴くとちょっと気持ちがほぐれて楽しい事が思いつく、そんな一曲になれたなら。
※編集部追記
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これまで文章にしている曲が全て録音されたアルバム「GOOD ONE」の
レコーディングメンバーが一同に集まるライブが今月末にあります。
もし良ければ生演奏でお楽しみ頂けたら嬉しいです。
2016/02/28
「山崎千裕GOOD ONEライブ」
会場:川口SHOCK ON ? 048-259-5576
開場:17:30 / 開演 18:30
前売:4000円
出演:山崎千裕(tp) ?河野啓三(key) ?米川英之(Gr) ?TAK斉藤(bs) ?岡野大介(Ds)