Long way
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この曲は旅の終盤ロサンゼルスへ向かう移動中に車の中で書いた。
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1つのレンタカーにメンバー全員とスタッフ、それからドラムにアンプにあらゆる楽器類と自分たちの荷物。そして日本から応援してくれている皆さんのたくさんの気持ちを乗せて、ひたすら真っ直ぐな道を走る。
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何十時間も何百マイルも一緒に揺られ、さらに行く先々での想い出がギュウギュウに詰め込まれた車内で、1人静かに想いを巡らせていた。昼下がりの穏やかな空気と誰かの寝息をBGMに。
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このまま一緒にずっとまっすぐ進んで行きたいなぁなんて、ふんわりと思ってはウトウトする、を繰り返していた。
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そんな中、私の中にメロディが産まれた。
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これは「今」書き留めないと、と思いガサゴソと手元のカバンの中を探す。あいにく五線譜は入っておらず、ただのメモ帳とボールペン。
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頭の中を流れるメロディとリズムを消えないうちに、しょうがなくカタカナで急いで書き留める。
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こんな方法で音をメモしたのは初めてだ。今そのノートを見ても音楽家だったらもうちょっと何か他の手段はなかったのかと思うほどヒドイ。
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序章から展開、1番盛り上がる部分、エンディングまで一気に書き上げる。
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普段、私は一度作ったものを幾度も推敲を重ね完成する事が多いのだが、珍しくこの曲はほとんど産まれたての、あのメモのまま採用している。
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ちょっと話はそれるが、なぜか暖かい風景などを思って曲を書くとき、私はシャープ系で曲をかく事が多い。
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これは小さな頃学校にある鍵盤楽器に貼ってあった、ドは赤く、レはレモン色で、ソは空色の青、シールに由来するのではないかと最近思っている。個人的にはこれはピッタリだと思う反面、かなり偏ったイメージだと思っていて、大人になった今はもっと自由に色を塗っている。
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ただ温かく体感する調は確かにあるような気がする。
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実は今日もまた、当時この曲を急いでメモした懐かしの道に来ている。
アメリカの広大な大地の上。また走っている。
今度は新しい仲間、写真家井上ナホも一緒に。
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道が良い時も良くない時も、一緒にまっすぐに進む。いろいろな出会いや心の動きも大事に車に乗せて一緒にまっすぐまっすぐ進んでいきたい。
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道はまだまだ続く。まっすぐまっすぐ。
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