The motion & The moment. 日本の反対側のオキナワ。
ArtBy Hiroyuki Toyokawa on
<日本の反対側のオキナワ>
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日本から遠く離れたボリビア。
その中にサンタ・クルスという都市がある。
ボリビアのほぼ真ん中にある都市。
そこには、その昔オキナワから移住した人たちが作った”オキナワ村”があるという。
サンタクルスから、乗り合いタクシーに乗ってオキナワ村へと向かった。
しばらくすると、唐突に目の前に現れたのは、「めんそーれ」と書かれた小さなゲートだった。
その昔、第二次大戦が終わり、アメリカ軍が沖縄に基地を作り駐屯し始めた頃、
もともと、その土地で農業を営んでいた地元民にあてがわれた代替地が、
ここサンタクルスにある土地だったという。
当時はジャングルのような荒地で、移民した人たちは一から開拓をし、街を形成していったそうだ。
今は、のんびりとした空気が流れ、舗装のされていない道路を、
砂埃を舞い上げながら自動車やオートバイが勢い良く走っていた。
その足で、日系人の通う小学校へと足を運んでみた。
のどかな雰囲気の中にあった小学校のゲート。
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日本からこんだけ離れた土地で、しっかりと書かれた日本語を目にすると、
一気に親近感が湧いてしまう。
この日は、学校は休みだったらしく、元気な児童の姿を見ることはできず、閑散としていた。
職員室のような部屋を覗いてみると教員らしい人がいたので、
見学をさせてもらえないかと尋ねたところ、少しだけ案内をしてくれることになった。
体育館のような拓けた部屋には、
入園・入学をお祝いする張り紙が。
新しく入る生徒の名前には、日本人っぽい名前も見受けられた。
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生徒たちの夢には、
「将来お金持ちになって、携帯電話を買って、旅行に行って、日本のモノを買いたいです。」
なんて書いている子もいた。
遠く縁のある日本は、彼らにとってどういう国に映っているのだろう。
希望となる国であれば幸いだ。
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オキナワ村を散策してみると、大きな鳥居を見かけた。
濃い茶色に塗装された鳥居は、ここオキナワ村の雰囲気に溶け込み、まるで日本にある一風景のように感じた。
当時、移民をしてきた人たちは、いつでも日本の面影をどこかで感じていたかったのだろう。
オキナワ村にある資料館を尋ねてみると、そこには移民した人たちが当時使っていた道具が展示されていた。
ノコギリや鍋。ミシン、タイプライター、カメラなど、日本から持ち込んだモノと思われる歴史を感じる品々が並んでいた。
そのなかで興味を持ったものが世界地図だった。おそらく40〜50年前の地図だったと思う。
ベトナムが南北に分かれていたり。
ミャンマーという国がビルマという国であったり。
バングラデシュがパキスタンとして存在していたり。
スリランカがセイロンという国だったり。
時代の移り変わりや、時間の流れがその地図上には記載されていた。
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遠く日本から離れた土地で生活をする日系移民の末裔。
そこに息づく日本文化。
移民先の土地に少しづつ土着していき、遠い遠い未来は独自の文化のように形を変えていくのかもしれない。