鰯雲の季節 =Fish Nude #23=
ArtBy Takehiko TSUBAKINO on
<今日の神戸はやや鰯雲ぎみ>
なので今日は鰯にしようと思い立ちました。
トロトロでどうしようもない子。すぐ弱るのでこんな名前になった、と言うんですが、そのまますぎて逆に信じ難い 笑。やっと見つけた刺身用の鰯をそのまま使っても、たいてい柔らかすぎるので、ちょっと塩で〆たり、昆布〆にしたり、ときには酢で洗って楽しみます。秋刀魚もそうかなと思いますが、脂がのって柔らかい魚は、やや〆気味にしたほうが扱いやすく、身が締まって美味しいですね。新鮮ピチピチだ? と飛びついても、大してトクしません。ピチピチ加減だけでアセって食べないようにしましょう。
<鰯の軽い酢〆の切り落とし。右は蛍烏賊>
脂がのってると余計に柔らかく、綺麗に銀皮を残して薄皮を剥くのが難しかったりします。正直、まだ何かできるな?と思う魚です。
〈イワシ寿し〉
これもまだまだイケる感じがしてます。十分美味かったんですが。ただ柔らかいのと安価なのとで、家庭で握り寿司が作りやすい魚ですね。
<薄造り やや斜め引き>
鰯は普通に平造りにすると身が小さすぎて食べ応えがないので、大きく斜め引き。血合いの形が細長く出てるので、これがまた美しい。盛るとき外側をのびのびと広げて、内に向かって身は短くなり、やや曲げていく、このリズムを感じるのが毎回楽しいところです。整然と並べてるかと思えば破を入れる、という出し入れをするのはホント字を書いてるみたいで、「不完全」を完全に作ることを愛する日本的なとこ(日本以外にもあると思いますが)だなあ〜と。それがワザとらしくならない為には唯々無心あるのみ、です。
<つづく>
[smartslider2 slider=”1″]