The motion & The moment #キューバにて。旅とカメラ
ArtBy Hiroyuki Toyokawa on
その瞬間、その仕草
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一番の旅の目的は写真だった。
時間の止まった様な雰囲気を収めたくて、カメラを持ってたくさん歩いた。
歩いてみて自分が惹かれるモノを撮ればいいと。
ハッセルブラッド503CWとNIKON/D800。
気づけば、人にカメラを向けていることが多かった。
目の前で起きている、誰かの一挙手一投足に面白みを感じることがよくある。
タイトルにしている「The motion & The moment」にはそういう意味合いを込めている。
自分自身がシャッターを押すべき瞬間として、一番興味を感じる対象である。
その瞬間、その仕草に趣を感じる。
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ハバナの人々
朝、目抜き通りの1本外れた道端で、ちょっと苦めのコーヒーを売る男性。
深みのある苦味と、それにも負けずとも劣らない砂糖の甘みが、
おちょこサイズのプラカップの中で絶妙なハーモーニーを繰り出す。
価格にして¥10位だった気がする。
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朝から営業していたバーでは、恰幅の良いおじさんが朝も早くから出来上がっている様子だった。
マスターに「写真を撮ってもいいか?」と尋ねると、照れくさそうにポーズをとってくれた。
窓から注ぐ朝日は、マスターの皺れた表情を優しく照らした。
潔白のワイシャツは、表情から読み取るマスターの人柄を表してるようだった。
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ハバナの日中はとにかく陽差しが強い。
ゲストハウスのベランダから外を眺めていると、隣のベランダから何やら人の声が。。
反射的にカメラが必要だと察し、慌ててカメラを取りに部屋へ戻った。
ハッセルブラッドのマガジンスライドを勢い良く引き抜き、ピントをご機嫌な2人の壮年にロックオン。
なかなかいい瞬間を仕留めることができたと思う。
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朝早く起きて、朝食も取らずにカメラを持って散策に出かけた。
生活感が感じられる時間帯のような気がする。
カリブ海を一望できるマレコン通り。
沿岸を徒然と歩くと、2人の青年が堤防でうたた寝。
朝日が降り注ぐカリブ海の沿岸で、青空をバックにうたた寝。
働く気がなくなってしまいそうな組み合わせだ。
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キューバで感じる空気感や雰囲気は、そこに住まう人々が作り出すタイム感で形成されている。
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続く。