The motion & The moment. #世界一のビーチ
ArtBy Hiroyuki Toyokawa on
原始的な一手が効果的
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世界有数の人口密度を誇るバングラデシュ。
バングラデシュで有数の観光地であるコックスバザールという土地へ。
世界一長い海岸線が売り文句。その長さはなんと125kmにも及ぶ。
聞くところによると、ハネームーンとして訪れるエリアとして抜群の人気を誇るという。バス会社でそんな噂を耳にして、すぐにコックスバザール行きのチケットを買った。
一番人気のあるバス会社のバスは、フロントガラスには大きなヒビが入っていて、冷房はもれなく極寒設定だ。
これくらいのコンディションは、バングラデシュにおいてはデフォルトだった。
極寒の車中泊。
割り当てられた座席の冷房吹き出し口は、破損していて開閉の機能が剥奪されていた。とめどなく吹き付ける冷気に眠気をさらわれる。
仕方なくティシュを丸めて、吹き出し口に突っ込んでやる。
原始的だけど効果的な一手・・・。
これが旅の楽しみじゃないかと、ポジティブに捉えれば湧き上がる静かなるエナジィ。
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期待という名の固定概念
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コックスバザールに到着した途端に、通り雨で歓迎された。
隣国のミャンマーとの国境にほど近いこの地域では、ミャンマーの面影もちらほら。
雨上がりのビーチに散歩へ出かける。
ハネムーンで抜群の人気を誇るコックスバザール。
そこは世界最長の海岸線を有する自慢のビーチだ。
白い砂浜と澄み渡る青い海を頭いっぱいに想像しながら、意気揚々とビーチへ向かった。
やがて目の前に飛び込んだのは、延々と広がる閑散とした砂浜と、コヒー牛乳色に輝くベンガル湾だった。
いわゆるリゾートと呼ばれるビーチをイメージしていたばかりに、そのギャップに車中泊の疲れも吹っ飛んでしまったようだ。
遠くの波打ち際では、地元の人だろうか水着になって泳ぐわけでもなく、サンダルを脱いで琥珀色のベンガル湾を堪能していた。
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「ハネムーンで大人気のビーチでは、誰もが水着になって泳ぐものだ!」なんて誰が決めた。
そんなもん、自分の頭の中で形成された固定概念だろ。
期待と裏切りがこの旅をオリジナルなモノへと彩っていく。
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さぁ、ビーチの次はコックスバザールの市街地にも赴いてみよう。
続く・・・