Summer Energy #1 朝の街
まだ日差しも爽やかな朝7時、日本ではあまり朝食を食べないくせに、イスタンブールに来るとサッサと起きてカフェに向かう。
〈新市街の中心、タクスィム広場とパン屋〉
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この広場は、以前は車も通れたが、現在は歩行者天国になっている。空間のムダ感がうれしい。
広場を過ぎて、イスティクラル通りに。
昼や夜には人でごった返すこの通りも、まだ服屋や土産物屋は開いておらず、物品を運び込むトラックと、まばらに人が行き来する。この静かな活気を吸って歩く。
早朝の地場のカフェ。店頭ではテイクアウトのパイがどんどん売れていくが、店内は、私達だけ。なのにすでにホール店員は5人勢ぞろい。この余裕も好きだ。
イスタンブールの朝は、取り立てて騒がしいわけでもなく、ユルく始まる感じ。
これは何だろう?
モスクから日に4回、しっかり「アッラーは偉大なり」と詠唱が大音量で流れてくるが、スーパーにはワインもビールも売っている・・・。
「ミルクティー」と聞けば、「なんて飲み方するんだ!」と顔を顰めるが、コッテコテの濃い紅茶を、あの小さなグラスに角砂糖を3個入れて飲む・・・。
来週会おうと言うと「そうだなぁ、多分ね」と返答して結局来ないが、突然夜の8時に「アイスクリーム食べに行こう!」と電話をくれる・・・。
なんかこの、「懐が深い」というと、ちょっと違う、無邪気というか。遊びがあるというか。変な脈絡なんかいらないところ。
イスタンブールに来ると、なぜか力が湧いてくる…。
広場に戻ると、そこにはなぜか!エナジィがそびえていた。
そう、ここはエナジィの溢れる街でもあったのだ…
〈つづく〉