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「休めたのはコロナのおかげ」17歳スイマー大橋新が世界記録を出した日

Sports

「休めたのはコロナのおかげ」17歳スイマー大橋新が世界記録を出した日

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英ガーディアン紙が、17歳のスイマー大橋新選手のことを伝えています。アジア競技大会の直前に39℃の高熱とコロナに見舞われながら、200m平泳ぎで世界記録を泳いだ、その舞台裏の話です。

本人が語ったのは「休めたのが良かった」という言葉でした。追い込むことじゃなくて、体を回復させた時間が結果につながったという受け止め方に、あきらめず燃え続ける静かなエナジィがあります。

Japan teenager Shin Ohashi overcomes Covid and fever to smash breaststroke world record (the Guardian)

出典:Japan teenager Shin Ohashi overcomes Covid and fever to smash breaststroke world record(the Guardian)
出典:Japan teenager Shin Ohashi overcomes Covid and fever to smash breaststroke world record(the Guardian)

世界記録って、どういう時に出ると思いますか。毎日ガンガン泳ぎ込んで、疲れも限界まで積み上げて、その頂点で出るイメージがあるかもしれません。でも今回の話は、ちょっと違うんです。大会の数日前に39℃の熱を出して、コロナで思うように練習できなかった17歳が、200m平泳ぎで史上初めて2分05秒の壁を破りました。

休むことと強くなることの関係を、あらためて考えたくなる話だよね。

大会直前、体が動かなくなった数日間

舞台は、今年9月に東京で行われたアジア競技大会の競泳です。大会そのものは愛知・名古屋2026として開かれていますが、競泳の会場は東京アクアティクスセンターでした。ここで、日本の大橋新選手が200m平泳ぎに挑みます。まだ17歳です。

その大橋選手、大会の数日前に約39℃の熱を出していました。コロナにかかっていたんです。世界を狙う選手にとって、いちばん体を仕上げたい直前の時期に、練習どころか熱と戦うことになりました。

本人がまず振り返っているのは、不安だったということです。気持ちの面で少し落ち着かない部分があった、と話しています。当然だと思います。自分の体が思うように動かない、練習も積めない、そんな状態で大きな大会に向かうのは、想像するだけで胃が痛くなりますよね。

「コロナのおかげで休めた」って言えるまで

それでも大橋選手が試合のあとに口にしたのは、あの数日間をむしろ良かったと受け止める言葉でした。コロナのせいで不安はあったけれど、その一方で、体をしっかり休ませる回復の時間になったと思う、という趣旨のことを話しています。

ここ、すごく大事だなって思います。逆境を根性で乗り越えた、という話にしていないんです。休まざるを得なかった数日を、体が回復する時間としてとらえ直している。前向きというより、自分の体で何が起きたかを冷静に見ている感じがします。

トレーニングを続けている人がよく語ることですが、疲労が抜けた体は、練習を積んだ体とは別の軽さを持ちます。動きがスムーズになって、力の入れどころが変わる。追い込み続けた体では出せない泳ぎが、しっかり休んだあとにひょっと出ることがあるんです。今回の大橋選手の言葉は、そのまま重なります。

世界記録が出た日、体に何が起きていたか

そして本番です。大橋選手は200m平泳ぎで2分04秒83を記録しました。男子で史上初めて2分05秒を切ったタイムで、2023年に中国の秦海洋選手が出した2分05秒48という世界記録を、0.5秒以上も更新しています。しかも、この大会2つ目の金メダルでした。今週すでに100m平泳ぎでも中国の東志豪選手と同タイムで金を分け合っています。

直前まで熱で練習を積めなかった選手が、世界記録です。コーチの太田新さんも、このタイムには驚いたと話しています。自己ベストは出すだろうと思っていたけれど、ここまで大きく更新するとは思っていなかった、と。周りが大騒ぎするなか、コーチ本人はタイムより泳ぎそのものを見ていた、というのも印象的でした。

🖼 本文挿入画像 #1・本文挿入#1(1536×1024)

もちろん、休んだから記録が出た、と単純に言い切れるものではありません。本人にとっての不安も現実にありました。ただ、追い込みすぎない状態と体の回復が、この日の泳ぎにつながっていた可能性は、本人の言葉からもうかがえます。無理やり積み上げた疲労が抜けたことが、ひとつのカギだったのかもしれませんね。

休養も大事なトレーニング

この話から学べることは、休むことはサボりじゃない、ということです。トレーニングをしていると、休む日に罪悪感を持ってしまうことってありますよね。でも体が強くなるのは、負荷をかけている最中じゃなくて、休んで回復している時間なんです。

筋肉も神経も、休んでいるあいだに整っていきます。だから、しっかり寝て、しっかり食べて、体を休ませることは、練習と同じくらい大切です。予定していた練習ができなかった日があっても、それがまるごと無駄になるわけじゃない。むしろ回復に回った時間として効いてくることがあります。

大橋選手のケースは、望んで休んだわけではなくて、コロナで休まざるを得なかったという特別な形でした。それでも、休んだ体がちゃんと応えてくれたという事実は、日々続けている人の背中を押してくれると思います。うまく休むことも、続けるための技術のひとつだよねってこと。

17歳が積み上げたもの、削ったもの

最後に忘れたくないのは、これが一発の奇跡ではないということです。大橋選手は8月にパンパシフィック選手権の100m平泳ぎで58秒54を出していて、この種目の日本記録を持っています。世界記録は、その積み重ねの延長線上に出たものなんです。

本人が目標に挙げているのは、平泳ぎの北島康介さんです。北島さんは2004年アテネと2008年北京のオリンピックで、100mと200mの二冠を連続で達成した選手です。すべての選手から学びたい、憧れの選手は特にいないけれど、成し遂げたことでいえば北島さんのようになりたい、と大橋選手は話しています。

2年後にはロサンゼルスオリンピックが控えていて、大橋選手はすでに警戒される存在になりました。それでも、満足したくない、またこの気持ちを味わいたい、という言葉が出てくるところに、まだ先を見ている17歳の姿があります。高熱の数日間も、その長い積み重ねの一部として、いつか本人が笑って振り返る日が来るのかもしれませんね。

休むことは止まることじゃなく、回復して強くなるための続ける技術。

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タグ
10代アスリート, アジア競技大会, コロナ, 世界記録, 回復, 大橋新, 平泳ぎ, 水泳
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